大学における数理・データサイエンス・AI(MDA)教育は、リテラシーレベルおよび応用基礎レベルのモデルカリキュラムに基づく教育が全国的に展開され、育成規模は着実に拡大してきた。今後は、教育の質向上や急速な技術革新への対応に加え、高校と大学を接続した学びや高大連携の充実が重要な課題となっている。本ワークショップでは、愛知県内のDXハイスクールと地域大学との交流の場を提供し、出前講義、大学の授業・研究への高校生の参加、探究学習支援などを題材に、高校・大学双方が期待する高大連携の在り方について議論する。また、生成AIの急速な進展は、授業設計や学習評価にも大きな影響を与えている。基調講演では、大学における調査・実践事例をもとに、教育機関における生成AI活用の方向性について考える機会としたい。
愛知県DXハイスクール高校、東海ブロック大学等、高大連携に関心のある高校・大学関係者、 その他ライフロングなデジタル人材育成に関心のある、産官学の人事、教育・研修関係者
2026年7月27日(月)13:00~18:00
対面・ハイブリッド配信(第1部までオンライン(Teams)配信あり)
会場定員:300名
名古屋大学 東山キャンパス 坂田・平田ホール(講演はハイブリッド配信予定)
東海デジタル人材育成プラットフォーム
名古屋大学数理・データ科学・人工知能教育研究センター、
数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアム
無料
(プログラム予定内容)
1. 挨拶
· 名古屋大学 教育・情報担当副総長 寺崎 一郎 氏
2. MDA教育施策
講演タイトル「数理・データサイエンス・AI教育の現状と高大連携について」
- 梅﨑 沙織 氏 (文部科学省 高等教育局 専門教育課 課長補佐)
概要: 様々な場面で生成AIの活用が求められ、就業・産業構造を中心に急激な変化が想定されているなか、大学や高等専門学校で推進している数理・データサイエンス・AI教育の今後と、高大連携の取組について紹介する。
【第1部】
3. 基調講演(各30分)
講演タイトル「教育機関における生成AI運用:評価手法・授業形態・ポリシーの国際比較と実践的方策」
- 駒水 孝裕 氏 (名古屋大学数理・データ科学・人工知能教育研究センター 准教授)
概要: 本講演では、高等教育における生成AI運用方針と米国ガイドラインの比較を通じ、AI時代に求められる授業構造と評価手法の再構築について概説します。現在、世界のトップ大学はAI利用を一律禁止から「責任ある探求」へと移行し、承認済みツールの利用などデータ保護を徹底しています。また、AIが成果物を容易に生成できる現状を踏まえ、結果だけでなく思考プロセス自体を評価する枠組みへの転換が不可避です。さらに、不正確な出力を批判的に検証する最終責任は利用者にあり、利用の透明な開示が求められます。持続可能な教育モデルの構築に向け、学生と教員双方の体系的なAIリテラシー育成が不可欠であることを提示します。
講演タイトル「農学部1年180名対象『物理学基礎1』におけるLLM と学習感触の接続」
- 稲垣 哲也 氏 (名古屋大学大学院生命農学研究科 准教授)
概要: 農学部1年生の、物理にやや苦手意識をもつ学生を対象に、ハイフレックス型授業運営と毎回の感想・質問フィードバックを核とした授業改善の実践を紹介する。生成AIは補講教材の設計、板書補助、授業改善の支援に活用し、学生の学習上の「感触」やつまずきを継続的に回収・可視化する循環を構築した。また、LLMを解答生成の代替ではなく、演繹的思考を支える道具として位置づけ、その教育的活用の可能性を検討した。物理への苦手感の軽減と授業評価の向上に寄与した実践例を報告する。
4. 事例紹介講演(各15分)
講演タイトル「探究から始まる高大連携 ~DXハイスクールにおける実践と展開~」
- 石橋 豊氏 (愛知産業大学 副学長/教授)
概要: 高校における探究活動を大学での学びや将来の進路につなげることは、DXハイスクール時代の高大連携における重要な課題である。本講演では、愛知産業大学が実施しているDXハイスクール採択校との高大連携の実践事例を紹介する。出前授業や体験型学習、探究活動への助言・支援、DXHシンポジウムによる成果発表・交流など、探究活動の深化から成果発信までを支援する取組について報告する。また、これらの実践を通じて得られた知見を共有するとともに、地域におけるデジタル人材育成に向けた今後の高大連携の方向性について考察する。
講演タイトル「愛知県立岡崎高等学校での事例紹介~SSH事業と高大連携について~」
- 市川雄太 氏 (愛知県立岡崎高等学校 教諭)
概要: 本校は平成14年度にスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け、今年度で25年目を迎えます。現在は「先導的改革型Ⅰ期」のSSH校として、「岡高リベラルアーツ(答えを見いだせていない課題を解決するために獲得した知識及び複数の視点(総合知))」獲得・形成プログラムを開発し、未来を切り拓く国際リーダーの育成に努めています。本講演では、現在の高校現場での探究活動の指導において、大学・研究機関・企業・市等との連携が不可欠であるという観点に基づき、これまで本校が築いてきた多様な連携事業の中から、「高大連携」の取り組みに焦点を当ててご紹介します。
5. 東海デジタル人材育成プラットフォームの紹介(10分)
ー 休憩 ー
6. 参加者取組紹介(各3〜5分、計1時間〜1.5時間)
· 参加高校の取組紹介(DXHとしての取組状況・計画、大学との連携で期待することなど)
[発表予定高等学校] 名古屋市立西陵高等学校、愛知県立大府東高等学校、愛知県立鶴城丘高等学校、愛知県立木曽川高等学校、東邦高等学校、愛知県立日進高等学校、名古屋大学教育学部附属中・高等学校、愛知県立東海樟風高校
· 参加大学の取組紹介 (高校との連携実績の紹介、高校との連携で期待することなど)
[発表予定大学] 名古屋文理大学、名古屋国際工科専門職大学、一宮研伸大学
ー 休憩 ー
【第2部】(対面のみ)
7. 交流会(1時間〜)
· グループ交流 [5,6名単位のグループディスカッション、途中でグループ替え予定]
(自校紹介、DXHの取組の成果や困りごと、大学への期待、大学側の事情、期待、win-winになる関係)
· 全体交流(個別相談など)
司会: 間瀬 健二 (名古屋大学数理・データ科学・人工知能教育研究センター 特任教授)